2023/09/21
高い耐震性を備えた家を建てることは今や当たり前のことですが、
2階建ての家は、
平屋に比べて家のバランスが悪くなりやすい傾向があることから
弊社では「2階建て」よりも「平屋」をオススメしています。
おはようございます。
株式会社ミズシマの新内です。
まず2階建ての家は、2階の壁量に対し
2階を支える1階の壁量が少なくなりやすいという特徴があります。
2階にはプライベートルームを細かく区切ってつくるのに対し、
1階には大空間のLDK をつくるのが一般的だからです。
つまり、2階に柱や壁の数が増えることによって
上からの荷重が大きくなるにもかかわらず、
それを支える1階に柱や壁が少なくなってしまうから、というわけですね。
圧倒的に過ごす時間が長いLDKを明るくしたいという気持ちから
どうしても1階には窓を必要以上につくりやすいですしね。
また、一般的に南に出来るだけ窓をつくり、
逆に北には出来るだけ窓をつくらないようにしていますが、
これも家のバランスが悪くなる原因の一つとなります。
南と北の壁のバランスが悪くなってしまうからです。
その上2階建ての場合、
2階の南にはベランダやバルコニーを張り出してつくることが多く、
支える壁が少ない南により大きな負荷をかけてしまうわけですしね。
それゆえ2階建てで高い耐震性を維持するためには、
何らかの制約を受けることになります。
例えば、耐震等級3を取りたい場合、
間取りに何らかの制約が発生することがあります。
せっかくの大空間のド真ん中に柱や壁が必要になる、
南の窓のサイズを小さくすることになる、という感じですね。
また、その制限を飲み込んだ上で
さらに「制震装置」も設置しなければいけないかもしれません。
2階建ての場合は、台風の時や爆弾低気圧の時に
強風の影響で家の2階部分が揺れやすいし、
トラックや工事車両のような大型車両が通行した時にも
同じように2階部分が揺れやすく、
それらは小さな地震を小刻みにくらっているのと同じようなものであり、
それはつまり耐震金物を緩めてしまう原因となる可能性が高いからです。
そんなわけで、可能であるなら
「平屋」を建てた方がいいと思っている次第であります。
平屋にすれば強風や車両振動の影響を受けにくいし、
地震の影響も受けにくいため制振装置を設置する必要がないし、
上からの荷重も少ないし、ベランダやバルコニーといった
さらに耐震性を悪くするものをつくる必要もありませんしね。
後は、南と北の壁量バランスが
悪くならないようだけ気を配りながら間取りを考えていけば、
耐震性が高い家が完成するというわけですね。
そして、建てる家を土地に合わせることも
耐震面においてとっても大切なことです。
例えば、交通量が多い幹線道路に面した土地で家を建てる場合、
通行車両の振動の影響を受けやすいため、
出来るだけ家の重心を下げるべきだし、
海に近い場所で家を建てる場合も、
日常的に強風にさらされるため出来るだけ重心を低くすべきです。
つまり可能なら「平屋」にした方いいということですね。
また、周囲に家が建っていない場所で家を建てる場合も、
建てられるなら「平屋」にした方がいいと思っています。
台風の時や爆弾低気圧の時、風を遮ってくれる建物がなければ、
モロに強風の影響を受けることになるからです。
そんなわけで、
立地という点も建てる家に大きな影響を与えるということも
覚えておいていただけたらと思います。
それでは・・・。