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工務店の社長がつぶやく『失敗しない賢い家づくり』の豆知識

南向き信者が陥る罠

南向きの土地に家を建てる場合、
多くの方がすべての部屋を南向きでつくり、
かつその南に大きな窓をつくります。

しかし、この考え方を基本に
家づくりを進めてしまうと、
2階建ての家を建てることになり、
結果、これが今後の暮らしに
様々な支障をきたしてしまうかもしれません。

おはようございます。
株式会社ミズシマの新内です。

例えば、こちらのお家は
南向きの土地に建てたお家なのですが、
南面には一切窓をつくっていません。
また、土地の広さは50坪なのですが、
2階建てではなく平屋です。

南向きの土地に建てたお家

その理由は明白で、
南に大きな窓をつくった場合、
道路から丸見えになってしまうからです。

単純に、丸見えの中で過ごすのは居心地が悪いし、
視線を遮るためにカーテンをつけたらつけたで、
丸見えは回避出来るものの、
今度は、家の中が暗くなったり
風通しが悪くなってしまうだけですからね。

また、すべての部屋を
南向きでつくろうとすれば、
2階建てにせざるを得ないのですが、
そうなれば、さらに丸見えになる部屋が
増えてしまうだけだし、
海が近く風の影響を受けやすい地域では、
ただただ耐震性と耐久性を
劣化させる原因となってしまいます。

南からの強風を伴う
台風も一番直撃する土地ですしね。

さらに、南向きの土地に建つ
2階建ての家の多くが
2階にベランダをつくっていますが、
ここで洗濯物を干すのって、
決して防犯上良いとは言えませんよね?
家族構成や仕事を道行く人たちに
バラしているようなものだからです。

窓から漏れる光で
どこの部屋で居るかまで分かってしまうし、
そもそも窓を見ただけで
その部屋が何の部屋かまで
分かってしまうのがこの南向きの土地ですしね。

そんなこんなで、
実は一番間取りづくりが難しいのが
この南向きの土地なんですが、
この南向きの土地の設計を
さらに難しくさせているのは、
せっかく南向きの土地を
買ったにもかかわらず、
南に窓をつくらないことに対する抵抗感です。

なので、設計をするにあたって
まずはこのバイアスを外すようにしないと、
どうあがいても住み心地に優れたお家を
建てることは出来ないというわけです。

住みやすさの鍵は
南向きの部屋と窓をどこにつくるか

こちらのお家は
道路面に窓が全くありませんが、
かといって南向きの窓が
全くないわけではありません。

光をたくさん入れたい
リビングダイニングは南向きでつくり、
かつ、その南面には大きな窓をつくっています。

南向きで作られたリビングダイニング

そして、洗濯物も日が当たり
風が通る場所で干せるようになっているし、
かつ、道行く人たちから
洗濯物が全く見えないようになっています。

反面、明るく出来るのであれば
それが必ずしも南向きじゃなくていい部屋、
つまり寝室や子供部屋といった
主な目的が寝ることである部屋などは、
全て南以外の方向から採光をとるようにしています。

結果、全ての部屋を1階だけで収めることが出来、
耐震性も耐久性も高くなり、
かつ家全体がより使いやすくなったというわけです。

つまり土地の良し悪しを理解した上で
間取りを考えた結果、
安全性と居住性が格段にアップしたというわけですね。

では次回は、こちらのお家が
どうなっているのかについて、
さらに詳しくお伝えしていきたいと思います。

それでは・・・。