ニュース

ニュース

工務店の社長がつぶやく『失敗しない賢い家づくり』の豆知識

住宅ローン控除とiDeCoと

“住宅ローン控除制度”とは、
住宅ローンを組みながら家を建てた場合、10年に渡って所得税や住民税が還付される制度ですが、おそらく自分が払っている税金の額を知っている方はほとんどいないと思うので、今回は、例を挙げてお伝えしていきたいと思います

おはようございます。
株式会社ミズシマの新内です。

では、あなたがこれから家を建てるとして、
あなたとあなたの配偶者の年収をどちらも300万円、
(計算しやすくするため10年間このままの給料とします)
住宅ローン借入を3000万円、金利を1%、返済は35年、
住宅ローンの返済開始を1月、土地・建物の持ち分をそれぞれ2分の1ずつ、
納めている所得税をそれぞれ年間6万円(所得税率は5%)ずつ、納めている住民税を
それぞれ年間12万円(住民税率は10%)ずつと仮定し、その恩恵がどれくらいになるのか?計算していってみますね。

まずは、その年ごとの年末の借入残高を計算します。

(年末借入残高)
1年目:1464万円ずつ(2928万円÷2)
2年目:1428万円ずつ(2856万円÷2)
3年目:1391万円ずつ(2782万円÷2)
4年目:1354万円ずつ(2708万円÷2)
5年目:1317万円ずつ(2634万円÷2)
6年目:1279万円ずつ(2558万円÷2)
7年目:1241万円ずつ(2482万円÷2)
8年目:1202万円ずつ(2404万円÷2)
9年目:1163万円ずつ(2326万円÷2)
10年目:1124万円ずつ(2248万円÷2)

続いて、この年末の借入残高をもとに、還付される税金の上限額を計算します。

(還付される税金の上限額=年末借入残高×1%)
1年目:14.64万円ずつ(29.28万円÷2)
2年目:14.28万円ずつ(28.56万円÷2)
3年目:13.91万円ずつ(27.82万円÷2)
4年目:13.54万円ずつ(27.08万円÷2)
5年目:13.17万円ずつ(26.34万円÷2)
6年目:12.79万円ずつ(25.58万円÷2)
7年目:12.41万円ずつ(24.82万円÷2)
8年目:12.02万円ずつ(24.04万円÷2)
9年目:11.63万円ずつ(23.26万円÷2)
10年目:11.24万円ずつ(22.48万円÷2)

これらを全て合計した金額が、住宅ローン控除によって得られるマックスの恩恵なの
ですが、住宅ローンを組む時には、還付される税金のことも考慮しておけば、より多くのお金を手元に残しやすくなります。

ちなみに、このご家庭の場合、ご主人だけでは、これだけの金額を借りることが難しいのもありますが、ご主人だけだと、住宅ローン控除の恩恵を大して受けることが出来ないので、奥さんにも連帯債務で入っていただき、持ち分を2分の1ずつにすることで、
この恩恵をマックスで受けられるようにしてみました。

内訳は以下のようになります。
(所得税は年末調整によって還付され、住民税は翌年軽減されます)

1年目:14.64万円-6万円(所得税)-8.64万円(住民税)=0円
2年目:14.28万円-6万円(所得税)-8.28万円(住民税)=0円
3年目:13.91万円-6万円(所得税)-7.91万円(住民税)=0円
4年目:13.54万円-6万円(所得税)-7.54万円(住民税)=0円
5年目:13.17万円-6万円(所得税)-7.17万円(住民税)=0円
6年目:12.79万円-6万円(所得税)-6.79万円(住民税)=0円
7年目:12.41万円-6万円(所得税)-6.41万円(住民税)=0円
8年目:12.02万円-6万円(所得税)-6.02万円(住民税)=0円
9年目:11.63万円-6万円(所得税)-5.63万円(住民税)=0円
10年目:11.24万円-6万円(所得税)-5.24万円(住民税)=0円

以上、夫婦それぞれが合計129.63万円ずつ、合わせて259.26万円もの金額が、
家を建てることによって手元に戻って来る、というわけです。
思っていたよりもスゴくありませんか?


さらに税金還付を増やすことが出来る!?

そして、家を建てる時、いつもオススメさせていただいているのが、
個人型の確定拠出年金の“iDeCo”なんですが、
その理由は、これに加入すれば、さらに税金の還付が受けられるからです。

仮に、ご夫婦それぞれ1万円ずつ、
“iDeCo”に加入するとして計算していってみますね。

1万円×12ヶ月=12万円
(iDeCoによって積立される年間の年金額)
12万円×5%(所得税の税率)=6,000円
(iDeCoによって還付される所得税額) 6万円―6,000円=54,000円
(住宅ローン控除によって還付される所得税額)

12万円×10%=12,000円
(iDeCoによってカットされる住民税額)
12万円―12,000円=108,000円
(住宅ローン控除によってカットされる住民税の上限額)

では、これを当てはめて計算していってみましょう。

・iDeCoによる恩恵
6,000円×10年=60,000円(還付される所得税額)
12,000円×10年=120,000円(カットされる住民税額)
合計:180,000円

・住宅ローン控除による恩恵
1年目:14.64万円-5.4万円(所得税)-9.24万円(住民税)=0円
2年目:14.28万円-5.4万円(所得税)-8.88万円(住民税)=0円
3年目:13.91万円-5.4万円(所得税)-8.51万円(住民税)=0円
4年目:13.54万円-5.4万円(所得税)-8.14万円(住民税)=0円
5年目:13.17万円-5.4万円(所得税)-7.77万円(住民税)=0円
6年目:12.79万円-5.4万円(所得税)-7.39万円(住民税)=0円
7年目:12.41万円-5.4万円(所得税)-7.01万円(住民税)=0円
8年目:12.02万円-5.4万円(所得税)-6.62万円(住民税)=0円
9年目:11.63万円-5.4万円(所得税)-6.23万円(住民税)=0円
10年目:11.24万円-5.4万円(所得税)-5.84万円(住民税)=0円
合計129.63万円

・iDeCo+住宅ローン控除の恩恵
=180,000円+1,296,300円=1,476,300円ずつ
夫婦合計=1,476,300円×2人=2,952,600円

このような計算結果となり、iDeCoに加入した分だけ、さらに税金控除の恩恵が受けられるというわけなんですよね。

しかも、iDeCoを掛けることによって、120万円ずつ(1万円×12ヶ月×10年)
将来受け取れる年金が増えたことにもなりますしね。

今回は、数字をやたら羅列してしまったがために、数字アレルギーの方にとっては、
面白くない内容になってしまったかもしれません・・・

しかし、お金の話は、ものすごく大切なことであり、知っているか知らないかで、
将来大きな格差が生まれることになります。
ですから、家づくりをする時には、お金のことも勉強していただき、賢く予算を計画し、賢くお金を借り、賢く節税し、賢く土地を見つけ、賢く家を建てていただければと思います。

それでは・・・。