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工務店の社長がつぶやく『失敗しない賢い家づくり』の豆知識

割安感に隠れた裏側を冷静に見る

2020/10/23

例えば、1つ400円の商品が2つ必要となり買い物に行ったところ、
3つ買うと1000円という特価売りをしていたら、
思わずその割安感に飛びついてしまいませんか?

しかし、余分に買ったもう1つをずっと使わなかった場合、
それは200円の損失を出してしまったことになります。

また、同じ食品でも、お店によって価格設定が違うこともあれば、
日によって価格設定が違うこともあるため、少しでもお得な買い物を
しようと、わざわざお店をハシゴしてしまうことはないでしょうか?

しかし、その場合も、100円お得な買い物をするために、
100円以上ガソリンを余分に使ってしまったとしたら、
決してお得な買い物をしたとは言えないですよね?


おはようございます。
株式会社ミズシマの新内です。

このような価格のトリックは、私たちの冷静な判断力を
鈍らせてしまうのですが、家づくりにおいても、価格のトリックが、
私たちの冷静な判断力を鈍らせ、逆に高い買い物をさせてしまうことが
あります。

例えば、中庭がある延床面積25坪の平屋を建てるとしたら、
その家の坪単価は、消費税まで含めると、引渡し価格で約75〜80万円に
なります。
(中庭は延床面積には含まれませんが、
中庭の工事費用は価格には含まれます)

他方、中庭がある延床面積30坪の平屋を建てるとなると、
その家の坪単価は約70〜75万円となり、先程よりも5万円ほど
坪単価が安くなります。
もちろん、全く同じ条件で家を建てると仮定して、です。

つまり、坪単価は、家の面積が小さくなればなるほど割高となり、
家の面積が大きくなればなるほど割安となる、ということなのですが、
坪単価に判断の比重を置いてしまうと、大切なことを見落として
しまいやすくなります。

25坪の家は、坪単価は75万円するかもしれませんが、家の総額は
1875万円です。それに対して30坪の家は、坪単価は70万円と、
25坪の家に比べて5万円安くなるかもしれませんが、
家の総額は2100万円と225万円高くなります。

この場合、あなたが家に掛けていい予算が、1900万円だったとしたら、
あるいは、あなたにとって充分な広さが25坪だとしたら、
わざわざ予算を上げてまで、家を大きくすべきではありません。

もし225万円予算が上がったとしたら、そして、その上がった予算を
住宅ローンでまかなうとしたら、さらに金利が加わることになるので、
あなたの予算は270万円も上がります。

そして、これはつまり、あなたが家以外のことに自由に使えるお金が
270万円減ったということでもあります。

家づくりをする時は、どうしても金銭感覚が麻痺してしまうし、
かつ、家づくりにかける強い想いが勝ってしまうため、
いとも簡単に予算を上げてしまいます。

ですが、その上がってしまった予算のしわ寄せは、遅かれ早かれ、
確実にその後の暮らしにのし掛かってきます。

ですから、目先の割安感に惑わされないよう、また、金銭感覚が
麻痺しないよう、常に冷静に予算とのバランスを見ながら、
家づくりを進めていただければと思います。

それでは・・・。