2020/07/03
この家は、最も日当たりが良いとされている東南角地の土地に建つ家です。
しかし、ご覧いただければ分かるように、この家の正面である南側には、
上から下まで伸びたスリット窓しかありません。
せっかく日がよく当たる方角なのに、です・・・
でも、たったこれだけの窓しかないにも関わらず、家の中は、
驚くほど明るいです。
そして、その明るさは、日の出から日の入りまでずっと安定的に続くため、
日中は電気をつける必要が一切ありません。
おはようございます。
株式会社ミズシマの新内です。
では、なぜこの家は、南側に窓がたったこれだけしかないにも関わらず、
そんなに家が明るいのでしょうか?
冒頭の外観写真をご覧いただくとお分かりいただけますが、
この縦に延びたスリット窓を設置してある場所は、あえて少し凹ませています。
この理由は、太陽高度が高く、ほぼ真上から射し込んでくる夏の直射日光を、
出来るだけ室内に入れないようにするためです。
夏の直射日光が室内に入り過ぎると、家の中が暑くなってしまいますからね。
他方、夏よりも太陽高度が低くなる冬には、この吹抜けの窓から
たくさんの光が射し込んでくるので、リビングダイニングキッチンの
最北に位置する暗くてジメジメしてしまいがちなキッチンが、
朝から明るくて気持ちいい場所になります。
そして、このスリット窓部分を凹ませている理由がもう1つ。
それは、太陽の光の採り込み方の工夫です。
このスリット窓は、南面の一番東側に設置しているのですが、
これは、朝から昼にかけての午前は、直射日光を出来るだけ家の中に
入れるようにし、日差しが厳しくなる夕方にかけての午後は、
直射日光ではなく、壁に反射した間接光を家の中に採り込むように
してあるからです。
西日を家の中に採り込み過ぎると、家の中が暑くなり過ぎるし、
日焼けの原因にもなりますからね。
ということで、わざわざプライバシーと引き換えに、南に大きな窓を
設置しなくても、家の中は驚くほど明るくなるということを、
覚えておいていただければと思います。
それでは・・・。