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工務店の社長がつぶやく『失敗しない賢い家づくり』の豆知識

銀行がすすめる住宅ローンはいい商品なのか?

2020/02/18

一見のお客さんとして銀行の窓口に行った場合、
基本的に銀行側がすすめてくれる住宅ローンは、
“3年固定”や“10年固定”という
当初期間固定型の商品なのですが、 この商品が変動型の住宅ローンであることを
理解しておかなくてはいけないし、
同時に、この商品の特徴も知っておかなくてはいけません。

おはようございます。
株式会社ミズシマの新内です。

この商品は、
借入期間中ずっと固定というわけではなく、
固定期間満了後は、
その時点の金利でもう一度同じ商品を選ぶか?
あるいは変動型に切り替えるか?
を選択するようになります。

つまり、いずれにしても、
“返済額が変わる“ということですね。

それゆえ、銀行側がすすめてくれたからと
安易にその商品を選択するのではなく、
本来は、将来的な金利上昇リスクをも理解した上で、
選ぶようにすべきです。

そして、この当初期間固定型を選ぶ上で、
理解しておかなくてはいけないことが、
金利上昇時の返済額アップに天井がない ということです。

変動型の場合、
増額率を25%以内に抑えるというルールがあるのに対し、
この当初期間固定型には、そのルールがありません。

当初固定期間中80,000円だった返済が、
もし見直し時に40%上がってしまうとしたら、
80,000円×1.4=112,000円まで、
一気に返済額が上がってしまうということですね。

また、この商品は、
当初の期間中は
金利の引き下げ幅が大きくなっているものの、
金利見直し後は金利の優遇幅が縮小されます。

例を挙げるとこんな感じです。
店頭表示金利:2.95%
当初3年間金利引き下げ幅:2.45%
当初3年間貸出金利:0.505%(2.95%―2.45%)

↓(3年後)

店頭表示金利:2.95%
金利優遇幅:1.85%
4年目からの貸出金利:1.1%(2.95%ー1.85%)
といった感じですね。

つまり、3年後も市場金利が同じだったとしても、
無条件で金利が0.6%上がってしまうというわけです。
これだけでも、手痛い返済額アップになるのに、
もし市場金利まで上がってしまったとしたら?

では、これを実際の数字に当てはめて考えてみましょう。
借入3000万円、35年元利均等払い、ボーナスなし、
当初3年間の金利0.505%で試算してみますね。

この場合、当初3年間の毎月の返済額は、
77,875円となるのですが、
3年後は、もし金利が全く上がってなかったとしても、
適用金利が1.1%となるため、
返済額は85,388円となり、
返済額の上昇率が9.6%ということになります。

では、もし金利が1%上がってしまったとしたら?
この場合、3年経過後の適用金利は2.1%となり、
返済額は98,874円となります。
返済額の上昇率は27%ですね。

続いて、もし金利が2%上がってしまったとしたら?
この場合、3年経過後の適用金利は3.1%となり、
返済額は113,530円となります。
返済額の上昇率は、なんと!?45.8%です・・・。

いかがですか?
おそらくこんなに金利が上がることはないでしょうが、
上がらないという保証もまたありません。

それゆえ、変動型の住宅ローンを選択する場合には、
このようなリスクをも理解した上で
選ぶようにしていただければと思います。

それでは・・・。