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2026.09.19
“日当たりが悪い土地=暗い家になる”という嘘
たとえば、土地面積が50坪に満たない比較的小さな土地で、
なおかつ敷地の南側に2階建ての建物が建っているとしたら、
あなたなら住宅会社にどのような家を希望しますか?
出来るだけ建物を敷地の北側に寄せ、
南側に少しでも多くの余白をつくり、
その一番南側にリビングを配置してもらいますか?
あるいは、南からの光は諦めて、
東から光を採り込むようにしてもらいますか?
それとも、1階の窓から光を採ることは諦め、
リビングに吹き抜けをつくり、
2階の窓から光を採り込むようにしてもらいますか?
おはようございます。
Tsumugu Houseの新内です。
今回は、まさにそんな条件の土地に
実際に建てさせていただいたお家について、
ご紹介したいと思います。
こちらの土地は50坪以下と比較的小さく、
さらに敷地の南側には2階建てのアパートが建っていました。
そのため、一見しただけでは、
「この土地に家を建てたら、暗い家になりそうだな…」
と思ってしまうような土地でした。
しかも、南側に建っているのはワンルームアパートです。
人の出入りが比較的多く、
入居者が変わる可能性もあるため、
日当たりだけではなく、防犯やプライバシーについても
十分に考えて間取りをつくらなければいけません。
そうでなければ、
せっかく南側に大きな窓をつくったとしても、
人目が気になって一日中カーテンを閉めたまま…。
そんな家になってしまう可能性もあります。
✔日当たりが悪そうな土地でも、南からの光を採り込む方法
そんな条件の土地に対して、
弊社がご提案させていただいたのが、
敷地を最大限に有効活用した「平屋」の住まいでした。

こちらのお家では、
リビングダイニングキッチンを
敷地の一番南ではなく、
あえて一番北側に配置しています。
そして、そのリビングダイニングキッチンの中央に、
南に面して約3.5mもの横幅がある
大きな窓を設けています。
「南から光を採り込みたいのに、
リビングを一番北に配置するの?」
と思われるかもしれません。
でも実は、ここが大きなポイントなんです。
リビングを北側に配置することによって、
南側に建っているアパートとの距離を
出来るだけ確保することが出来ます。
その距離を利用して、
南からの光をリビングへ届けるというわけです。
そして、もう一つ大切なのが、
窓から何が見えるのかということです。
こちらのリビングの大きな窓から見えるのは、
自分たちの家と空だけ。
南側に建っているアパートは、
室内からほとんど気になりません。
つまり、外から家の中を覗かれる心配が少ないため、
視線を遮るために一日中カーテンを
閉めておく必要もありません。
せっかく大きな窓をつくっても、
外からの視線が気になり、
ずっとカーテンを閉めているのであれば、
光を十分に採り込むことは出来ませんからね。
だからこそ、
「大きな窓をつくること」ではなく、
「カーテンを開けたまま暮らせる窓をつくること」
の方が大切なんです。
そうすることで、
南からの光をたっぷり室内に採り込みながら、
プライバシーもしっかり確保することが出来ます。
✔光を家全体へ届ける工夫
そして、このリビングに入ってきた光は、
リビングだけを明るくするためのものではありません。
取り込んだ光を反射・拡散させることで、
家の奥まで柔らかな明るさを届けるようにしています。
南側に建物がある土地の場合、
場所によっては一日を通して
直射日光が入りにくい部屋も出てきます。
だからといって、
そこに大きな窓をつくれば
必ず明るくなるというわけではありません。
大切なのは、
「窓を大きくすること」ではなく、
「どこから光を採り、どう家の中へ届けるか」
を考えることです。
そこでこちらのお家では、
中庭の外壁や室内の壁などに当たった光を
反射・拡散させながら、
家全体へ届けるように設計しています。
そのため、外壁材はもちろん、
室内の壁やドアなどにも白を多く使っています。
白は光を反射させやすいため、
入ってきた光を室内へ広げ、
柔らかな明るさをつくりやすいからです。
このように、
直射日光だけに頼るのではなく、
反射する光まで上手く利用することによって、
南側に建物がある土地でも
明るい住まいをつくることは十分可能なんですよね。
✔「悪そうな土地」が家づくりの味方になることも
南側に建物がある土地を見ると、
多くの方が、
「日当たりが悪そうだからやめておこう」
と考えると思います。
もちろん、実際に建物を計画してみた結果、
その土地をおすすめ出来ないケースもあります。
しかし、土地を見ただけで
「日当たりが悪いからダメ」と
決めつけてしまうのは、
少しもったいないかもしれません。
なぜなら、間取りを柔軟に考えることが出来れば、
一見デメリットに見える土地の条件を逆手に取り、
明るさとプライバシーを両立した
暮らしやすい家をつくれる場合があるからです。
そして、このような一見条件が悪そうに見える土地には、
もう一つメリットがあります。
人気が集中しやすい南向きの土地などと比べて、
価格が抑えられているケースがあり、
条件によっては価格交渉が出来る可能性もあります。
つまり、土地取得費を抑えられる可能性があるということです。
さらに、必要以上に大きな土地を購入せず、
敷地に無駄な余白をつくらないように
家を配置することが出来れば、
庭や境界工事などにかかる外構費用も
抑えやすくなります。
土地代を抑える。
外構費を抑える。
それでも、明るく暮らしやすい家をつくる。
これは、家づくり全体の予算を考えるうえでも
非常に大きなメリットではないでしょうか。
ということで、
「日当たりが悪そうな土地=暗い家になる」
という思い込みは、
一度捨てていただければと思います。
土地そのものに「明るい」「暗い」が
決まっているわけではありません。
その土地の周辺に何が建っているのか。
どこから光が入ってくるのか。
どこから視線が入ってくるのか。
そして、その土地に対して
どのように家を配置し、
どのような間取りをつくるのか。
そういったことを一つひとつ考えることで、
一見条件が悪そうに見える土地でも、
明るくて暮らしやすい住まいを
つくることは十分可能です。
むしろ、
「良い土地を探して、良い家を建てる」のではなく、
「その土地の特徴を生かして、良い家をつくる」。
それこそが、
注文住宅・自由設計の面白さであり、
本来の良さなのではないでしょうか。
土地探しをされる際には、
ぜひこのことも覚えておいていただければと思います。
それでは…。