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2025.08.06
家づくりのコスト削減法(維持管理編)

ランニングコストを見据えた家づくりを
ここまで7回にわたり、建築費が高騰する今の時代において、
少しでも住宅ローンの負担を軽減するための
「イニシャルコスト(初期費用)」
を抑える工夫をご紹介してきました。
しかし、家は「建てて終わり」ではありません。
所有している限り、
ずっと「ランニングコスト(維持費)」がかかり続けます。
たとえば、以下のような費用です。
- 固定資産税
- 火災保険・地震保険
- 光熱費(特に電気代)
- メンテナンス費用
- 家電製品の買い替え費用 など
中でも、「電気代」は生涯にわたってかかり続ける上に、
その変動幅は住宅ローン金利以上とも言われています。
だからこそ、この部分の支出をどう抑えるかは、
長く安心して暮らすために非常に重要なテーマです。
電気代対策の基本は「断熱+太陽光発電」
ランニングコストのなかでも大きな割合を占める光熱費。
これを抑えるためには、
まず「断熱性能の強化」が大前提です。
そして、次に検討すべきが 太陽光発電の導入です。
よくある誤解「売電単価が下がったから意味がない?」
太陽光パネルの導入に否定的な方の多くが挙げる理由に、
「売電価格が下がって元が取れない」といった声があります。
確かに、10年前と比較すると、
売電単価は大きく下がりました。
しかし一方で、
- 買電価格(私たちが電力会社から買う電気)は上昇
- 太陽光パネルの価格は大幅に下落
しているため、かつてと同じ判断基準で
導入可否を決めるのは合理的とは言えません。
例として、
- 昼間の買電単価:
かつては25円台 → 今は45円前後 - 太陽光パネル:
かつては1kWあたり60〜70万円 → 今は20〜30万円(メーカーによる)
つまり、「売って利益を出す」よりも、
「自家消費で電気を買わない」
ことによる経済効果を得ることが、今の主流です。
パネル費用の返済は“住宅ローン”ではなく“10年払い”が基本
太陽光パネルの導入を検討する際に、
見落としがちなポイントが返済方法です。
住宅ローンに組み込んでしまうと、
- 月々の負担は抑えられるが、
- 返済期間が長期になることで、結果的に支払利息が大きくなる
というデメリットがあります。
そこでTsumugu Houseでは、
太陽光発電の費用は住宅ローンとは分け、
10年以内での返済をおすすめしています。
理由は以下の通りです:
- 返済期間が短いため、利息負担が大きく膨らみにくい
- 現在の太陽光パネル価格であれば、
設置しない場合より支出が減る可能性が高い - 10年後には返済が完了し、
その後の電気代削減効果がまるごと家計に残る
実際の試算では…最大700万円の差が
これまで数多くのご家庭で試算してきた結果、
太陽光パネルを導入したケースと導入しなかったケースでは、
35年という期間で600〜700万円の差が出ることもありました。
この差額は、ちょうどアルファード1台分くらいに相当します。
暮らしに直結する大きな差だと実感いただけるのではないでしょうか。
電気代は今後どうなる?
最後に、電気料金の今後の動向にも少し触れておきます。
日本はエネルギー資源の多くを海外からの輸入に依存しており、
地政学リスクや国際情勢の影響を受けやすい構造です。
さらに、
- 自動車のEV化の進行
- 生成AIなどによるデジタル化の加速
により、これから電力需要はますます増えることが想定されます。
結果として、電気料金は上昇傾向が続く可能性が高いのです。
まとめ:正しい知識で「未来の支出」を減らそう
太陽光発電に対して、過去の知識のままで判断してしまうと、
将来的に大きな損をしてしまうかもしれません。
現在の価格、制度、ライフスタイルに即した判断をすることで、
家計を守ることができます。
ぜひ、今後のエネルギー状況や家計への影響までを見据えて、
「太陽光発電という選択肢」を前向きに検討してみてください。
それではまた・・・。