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2025.06.14

全改装と建替え

全改装と建替え

【実家の古い家、直す?建て替える?】

金額・構造・将来性から考える、判断のヒント

こんにちは。
岡山で建築家と建てるデザイナーズ住宅を手がけている
Tsumugu House(ツムグハウス)の新内です。

建築費の高騰が続く今、
「土地を買わずに実家の土地で家を建てる」という選択肢が
とても現実的になってきました。

そんな中で、

「使っていない古い家があるけれど、建て替え?それともリノベーション(全改修)?」

と迷われる方が多くいらっしゃいます。

今回はこの2つの選択肢を**“金額面”を軸に比較しながら、
どう判断すべきか**についてお伝えしたいと思います。

✔ まず押さえておきたい前提:「地盤調査」ができるかどうか

  • 建て替え(新築)の場合
     → 法律により必ず地盤調査を実施

     → 必要であれば地盤改良費用が発生(50〜100万円前後)
  • **全改修(フルリノベ)**の場合
     → 基礎を残すため、地盤調査は基本できない
     → 改良工事が不要で、その分のコストはカットできる

ただし、**見えないリスク(地盤の傾き)**が残る点には注意が必要です。

✔ 解体費の違い:実は大きな差はない?

  • 全壊する建て替え:効率よく重機で一気に解体可能
  • 全改修:柱・梁など構造材を残しつつ壊すため、手間がかかる

処分量は少なくなるものの、職人の手間賃が増えるため、
解体費用は案外それほど変わらない
ケースも多いです。

✔ 建築費は安くなる? → 部分的にYes、ただし注意も必要

全改修の場合:

  • 構造材を一部再利用できるため、木材費用は削減
  • ただし、多くの古い家は「布基礎(立ち上がり基礎)」のため、
     → 地面からの湿気対策にベタ基礎化が必要になることが多い
     → 家の下にある余分な土の搬出や追加の基礎工事が発生
     → 間取り変更があれば追加の基礎も必要

これらを含めると、新築とほぼ同等の費用になるケースも珍しくありません。

✔ 結論:建て替えと大差ないなら、どちらを選ぶべき?

金額だけで見ると、
全改修=新築とそれほど変わらないというのが実情です。

そのため、

  • 間取りを大きく変えたい
  • 耐震性能や断熱性能をしっかり高めたい
  • 長期的な安心・快適さを優先したい

という方は、思い切って「建て替え」をおすすめしています。

✔ 見逃せないリスク:「家が傾いていないか」を必ず確認

古い家で最も注意が必要なのが**“地盤の傾き”**です。

  • 昔の家は、現在のようなベタ基礎ではなく、
     → 軟弱地盤の影響を受けやすい「布基礎」構造が主流
  • 長年の荷重で、家が傾いている可能性があります

✔ チェックポイント:

  • 床や柱の傾きが感じられないか?
  • 基礎にクラック(ひび割れ)やズレがないか?

これらの症状がある場合は、基礎ごとやり直す必要があるため、
建て替え一択になります。

✔ まとめ:「家の状態」と「コストバランス」で冷静に判断を

  • 思い入れがある場合は全改修も一つの選択肢
  • ただし、構造補強や基礎改修まで考えると新築と同じくらいかかる
  • 家の傾きや地盤リスクがある場合は迷わず建て替えを
  • 中途半端なリフォームで後悔しないように

Tsumugu Houseでは、
「実家の敷地に家を建てたい」というご相談を多数いただいており、
建て替え・全改修・土地の調査まで含めてトータルでご提案しています。

ご家族の思いと資金計画を両立させながら、
後悔のない選択を一緒に考えていきましょう。

それではまた。


Tsumugu House(ツムグハウス)
代表:新内 芳之