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2025.06.11
南向きの窓は必要なのか?

【南向き神話に縛られない】
間取りも窓も、“土地に合わせる”という考え方
こんにちは。
岡山で建築家と建てるデザイナーズ住宅を手がけている
Tsumugu House(ツムグハウス)の新内です。
「部屋も窓も南向きが正解」
これは長く語り継がれてきた“常識”ですが、
本当にすべての土地に当てはまるのでしょうか?
特に住宅が密集したエリアでは、
たとえ南向きの土地でも、
日差しと一緒に「視線」まで入ってきてしまい、
結局カーテンを閉めっぱなしになるケースも少なくありません。
✔ 土地の条件で“正解”は変わる
南向き=正解ではなく、
その土地に合った光の取り入れ方を考えることが大切です。
私たちTsumugu Houseでは、
“南向きありき”の設計に縛られず、
その土地ならではのベストな採光・通風・配置をご提案しています。
■ 間取りの「固定概念」を一度リセットしてみる
✅ 寝室や子ども部屋は南向きにすべき?
多くの方が「寝室は日当たりの良い南側に」と考えがちですが、
実際にはこの考え方が最適とは限りません。
- 寝室は主に夜使う空間
- 子ども部屋も、日中は学校やリビングで過ごす時間が多い
- 南向きにすると、直射光がまぶしくて勉強に集中しにくいことも
つまり、日当たりが良ければいいというわけではなく、
「どの時間帯に・何のために使う空間か」によって向きを決める方が合理的なのです。
✅ 水まわりは北でいいの?
一般的には「北側=水まわり」という固定観念がありますが、
実際は**洗濯や室内干しを考えると“日当たりや風通しがいい方がベスト”**です。
- 脱衣室に太陽光が入ると、除菌・乾燥効果が高くなる
- 湿気もたまりにくく、ジメジメ感も軽減
「日が当たらなくて困っていたのは実は水まわりだった…」
という声も少なくありません。
■ 光=直射日光だけじゃない
南から差し込む強い光ばかりが“良い光”ではありません。
✅ 北側からの光=「天空光」は実はとても安定している
オフィスや美術館・店舗などで重宝されるのが、
**天気に左右されず柔らかく届く“天空光”**です。
- 空気中で拡散される穏やかな光
- 安定した明るさが得られる
- 空間をやさしく照らしてくれる
住宅でもこの「天空光」を活かす設計ができれば、
南向きにこだわらなくても、快適な明るさが手に入ります。
✔ 「カーテンのいらない家」を叶えるために
窓の外に隣家の視線があると、
いくら南向きでもカーテンを閉めっぱなしになりますよね。
でも逆に、視線を気にしない窓の配置ができれば、
カーテンなしでも明るく、開放的な暮らしが実現できます。
- 自然光をしっかり取り入れ
- プライバシーを守り
- 空の広がりや庭とのつながりを感じられる
そんな住まいは、南向きの固定観念から解き放たれた家にこそ叶えられるのです。
✔ まとめ:「その土地に最適な設計」が家の質を変える
- 南向きにとらわれすぎない
- 部屋の用途・時間帯で向きを決める
- 天空光や通風まで含めた設計を考える
- 視線を遮りつつ、光を取り入れる配置が理想
Tsumugu Houseでは、
**「土地ありきの設計」ではなく、「暮らしありきの設計」**を大切にしています。
これから土地探しや間取り検討をされる方は、
ぜひ今回の視点をヒントにしてみてくださいね。
それではまた。
—
Tsumugu House(ツムグハウス)
代表:新内 芳之