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2025.05.24
平屋にするとコストが下がる理由

【意外と知らない】
平屋にするとコストが下がる2つの理由
こんにちは。
岡山で建築家と建てるデザイナーズ住宅を手がけている
Tsumugu House(ツムグハウス)の新内です。
「平屋って高いですよね?」
家づくりをご相談いただく中で、よくいただくご質問です。
確かに、一見すると「平屋は贅沢」「お金に余裕のある人向け」というイメージがあるかもしれません。
でも実は――設計次第で、2階建てよりもコストを抑えられることもあるんです。
■ 平屋は面積が“合理的に”カットできる
まず基本的なポイントとして、平屋には
- 階段が不要
- 廊下が最小限で済む
- すべての部屋・収納が1フロアにまとまるため、無駄な部屋が生まれにくい
といった特徴があります。
この構成により、2階建てよりも延床面積がコンパクトにできる=建築費を抑えやすいというわけです。
✔ さらに進む“高性能住宅化”で、平屋のコストメリットが加速
最近では「高断熱」「高耐震」「ZEH基準」など、
住宅の性能基準が年々上がってきています。
この流れの中でも、平屋ならではのコストメリットがしっかりとあります。
✅ 理由①:制震ダンパーが不要になる場合も
2階建ては構造上、
- 南北の壁量バランスが崩れやすい
- 地震や強風、車の振動などによる揺れが伝わりやすい
といった傾向があり、「制震ダンパー(50万円前後)」の導入が推奨されるケースが多くなります。
一方、平屋は上からの荷重が少ないため、そもそも構造的に揺れに強い。
制震ダンパーを追加せずとも、耐震等級3が取りやすく、安心感を確保しやすいという利点があります。
✅ 理由②:空調設備がシンプルで済む
2階建ては階ごとの温度差が生まれやすく、
- 吹き抜け+ファンで空気を循環
- 各階にエアコン設置
- 冷暖房の効率を考えた工夫
など、快適性を保つために空調のコストがかさみやすい傾向があります。
対して平屋は、上下階の温度差がなく、空気が循環しやすい。
廊下も少なくすれば、リビング1台のエアコンで家全体を快適に保つことも十分可能です。
✔ ZEH時代は“平屋がより活きる”
これからの住宅は「ZEH基準」への対応が当たり前になっていきます。
- 高断熱化で冷暖房の効率UP
- 太陽光発電の搭載で光熱費もカバー
- 夏も冬も快適、そして家計にやさしい
この流れの中で、もともと構造がコンパクトで空調効率の良い平屋は、より有利になるのです。
■ 平屋=高いはもう古い?考え方の見直しを
「平屋は高そうだから…」と最初から選択肢から外してしまうのは、
もったいないかもしれません。
むしろ、平屋にすることで
- 耐震・断熱の性能が自然と高まる
- 構造や設備に余計なコストをかけずに済む
- シンプルな家事動線・育児動線で、暮らしも整う
という“合理的な住まい”を叶えることもできるのです。
もちろん、設計次第では平屋でもコストが上がってしまうリスクもあります。
だからこそ、「間取りの工夫」「土地の条件」「将来の暮らし方」まで見据えた提案が欠かせません。
Tsumugu Houseでは、岡山の気候・子育て環境に合わせた、
ちょうどいい平屋のつくり方をご提案しています。
これから家づくりを検討される方は、
ぜひ「平屋」という選択肢も前向きにご検討いただければと思います。
それではまた。
—
Tsumugu House(ツムグハウス)
代表:新内 芳之