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2026.01.14

法改正と耐震と根本論と

法改正と耐震と根本論と

2025年4月に建築基準法が改正され、
「地震や風の力に対して必要な耐力壁の量が、現行のおよそ1.6倍になる」
ことになりました。

それと同時に、これまでのように
耐力壁の量だけで簡易的に耐震性を判断するのではなく、

  • 建物自体の重さ
  • 人や家財の重さ
  • 雪が積もったときの重さ
  • 地震や台風時に、力がどのように建物へ伝わるのか
  • その力に対して、各部材が本当に耐えられるのか

こうした要素をすべて検証した上で耐震計算を行うことが求められるようになりました。
(いわゆる「構造計算」です)

建物の省エネ化が進んだことで、
断熱材の重量が増し、サッシも高性能化により重くなっています。
さらに、屋根に太陽光パネルを載せることも
今ではごく当たり前になりました。

その結果、建物自体の重量は以前よりも大きく増しているのです。

こうした背景から現在は、
建築確認申請に要する時間が大幅に増加しています。
(省エネ計算と申請に加え、
耐震計算と申請にも時間がかかるようになるためです)

つまり、これまで以上に
耐震に配慮した設計が不可欠な時代になったということです。

おはようございます。
Tsumugu Houseの新内です。

今回は、法改正が目前に迫り、
なお一層基準が厳しくなる「耐震」についてお伝えしたいと思います。

耐震性を高めるためには、
そもそも構造的に無理のない、自然に強い家にすることが
第一条件ではないでしょうか。

✔️ 2階建ては構造的に弱くなりやすい

自然と地震に強い家にするためには、
もし可能であれば「平屋」を選択することが
最良の方法だと考えています。

2階建ての場合、
平屋にはない上階からの荷重がかかるうえ、
細かく部屋を仕切る2階部分は
どうしても重量が増えてしまいます。

また現在の住宅は、
1階にLDKを配置し、
その空間をできるだけ広く取る間取りが主流です。

そのため、
1階に2階を支えるだけの十分な壁量を確保しにくい
という構造的な弱点も生まれやすくなっています。

さらに、
2階建てを選ぶ大きな理由として
「南からの採光へのこだわり」が挙げられます。
この考え方をベースに間取りを組むと、
南側は窓が多く壁が少ない
北側は壁が多く重たい
という家になりがちです。
つまり、
壁量バランスが非常に悪い家になってしまうのです。

このような理由から、
構造的に自然で地震に強い家を目指すなら、
「平屋」は非常に理にかなった選択だと考えています。

ただし、
先ほど触れた「バランス」については、
平屋にしただけで完全に解決するわけではありません。

そこで重要になるのが、次のポイントです。

✔️ 「光の採り方」を工夫する

光には、

  • 太陽の光が直接入る「直射光」
  • 空気中の塵や水蒸気に反射して入る「天空光」

の2種類があります。

家の中を安定して明るく保つためには、
この「天空光」を上手に利用することが鍵
になります。

直射光は天候による影響が大きく、
人為的なコントロールが難しいのに対し、
天空光は天候に左右されにくく、
設計によって調整しやすいからです。

直射光を前提に明るさを計画すると、
強い日差しを避けるために
カーテンを閉めざるを得なくなり、
結果として室内が暗くなってしまいます。

それを補うために窓を増やすと、
今度は耐力壁が減り、
耐震性を下げてしまうという悪循環にもなりかねません。

だからこそ、
家の設計では「光の採り方」を工夫することが
非常に重要だと考えています。

少ない窓でも安定した明るさを確保できれば、
耐震的にも有利になり、
東西南北に偏りなく耐力壁を配置することができます。

これは、
耐震計算(構造計算)の面でも
大きなメリットになることは間違いありません。

耐震というと数値ばかりに目が行きがちですが、
**本当に大切なのは「全体のバランス」**です。

この視点を、
ぜひ覚えておいていただければと思います。

それでは…。