土地の広さの決め方

自分にとって本当に必要な土地の広さとは？

土地に必要な広さは、
**「どんな家を建てるか」**によってまったく異なります。

たとえば延床30坪の家を建てるとしても、
それが「平屋」なのか「2階建て」なのかで
必要な土地面積は大きく変わります。

さらに、2階建ての場合でも、
1階と2階が同じ面積なのか、
1階を広く・2階をコンパクトにするのかによっても違ってきます。

また、「中庭」をつくるかどうかでも
必要な土地の広さは大きく変わってきます。

おはようございます。
Tsumugu Houseの新内です。

そんな理由から、私たちはいつも
土地探しを始める前にまず
**「自分がどんな家を建てたいのか」**を
明確にしておくことをおすすめしています。

では、実際にそれを明確にした上で
どれくらい土地の広さが変わるのか――
今回はその具体的な違いを見ていきましょう。

家の規模や形に関係なく、
必ず必要になるのが「家まわりの余白」と「駐車場スペース」です。

① 家まわりの余白スペース（約10坪）
排水や雨水の配管、エアコンの室外機、給湯器などを設置するために
最低でも10坪前後は確保しておく必要があります。

② 駐車場スペース（車1台＝約4.5坪）
1台あたりの必要面積は「2.5m×6m＝15㎡（約4.5坪）」。
3台分を確保する場合は、約13.5坪が目安です。

つまり、
どんな家を建てる場合でも
10坪（余白）＋13.5坪（駐車）＝23.5坪
は“共通して必要な面積”ということになります。

ここからは、延床30坪の平屋を例に考えてみましょう。

中庭を設けると、その分建物の面積が広くなります。
たとえば6帖の中庭（＝約3坪）をつくる場合、
延床面積30坪＋中庭3坪で合計33坪の建物になります。

ただし、中庭があることで
日当たりを確保するための「外部の余白」が不要になります。

南側に大きな建物があっても、
中庭の存在によって自然光を十分に取り込めるため、
前の建物と6m離すなどの“日当たり確保スペース”を
別途とる必要がないのです。

したがって、
中庭付き平屋に必要な土地の目安は以下の通りです。

10（余白）＋13.5（駐車）＋30（延床）＋3（中庭）
＝ 合計56.5坪

一方、中庭を設けない場合は、
中庭3坪分の面積は不要になります。

しかしその代わり、
南向きでない土地では日当たり確保のための余白が必要です。

たとえば、
南側に2階建ての建物がある場合、
快適な採光を得るには、
建物同士を6mほど離すのが理想的です。

仮に土地の奥行きが15mだとすると、
4m×15m＝60㎡（＝約18坪）ほど
余分な土地が必要になります。

したがって、中庭のない平屋では次のような計算になります。

10（余白）＋13.5（駐車）＋30（延床）＋18（日当たりのための余白）
＝ 合計71.5坪

いかがでしょうか？

同じ延床30坪の平屋でも、
中庭の有無によって約15坪の差が生まれることが分かります。

一般的に「平屋を建てるなら70〜80坪が理想」と言われる理由も、
こうした設計上の違いにあるのです。

もちろん、これはあくまで目安です。
実際には、
建てる地域・土地の形状・接道条件などによっても変わります。

ですが、土地の広さを決める前に
「どんな家を建てたいか」を明確にしておくことで、
ムダのない土地選びができるようになります。

土地の広さは価格に直結します。
だからこそ、
「家」と「土地」をセットで考えることが、
理想の家づくりへの第一歩です。

どんな家を建てたいか？
その答えが決まれば、
あなたにとって本当に必要な土地の広さも自然と見えてきます。

それでは、また。