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2025.09.24
土地に答えを求めない

その土地にどれくらいまで
1階部分をつくってよいかを定めた指標を「建ぺい率」と言います。
私は、できるだけこの「建ぺい率」を最大限に活用し、
1階部分を広くとることをおすすめしています。
理由は大きく2つです。
ひとつは、敷地に余白を残せば外構工事の施工面積が増え、
外構費用が嵩むと同時に庭の維持管理の手間も増えてしまうから。
もうひとつは、1階に部屋や収納を集約した方が、
子育て中も老後も圧倒的に暮らしやすいからです。
洗濯や片付け動線を考えても、
上下移動がある家より水平移動だけで済む家の方が、
間違いなく負担は少なくなります。
収納も1フロアにまとまっている方が断然使いやすいものです。
おはようございます。
Tsumugu Houseの新内です。
弊社では「建ぺい率」をギリギリまで活用し、1階部分をなるべく大きくとる設計を基本としています。
ただし、これを実現するには“常識”にとらわれないことが欠かせません。
✔ 家づくりの邪魔をする常識とは
多くの方が「南向き=価値がある」と信じています。
これは半分正解であり、半分不正解です。
正解となるのは「将来、家や土地を売却したい」と考える場合。
資産価値が高く、売却しやすいからです。
しかし「ずっとそこで暮らす」のであれば逆に不正解。
なぜなら、南向きの土地は以下のような
デメリットを抱えているからです。
- 部屋を南向きにせざるを得ず、
結果的に2階建て中心の設計になりやすい - 南に大きな窓を設けることで、カーテンや目隠し、
塀など余分なコストが発生 - プライバシーや防犯対策にも追加費用が必要
- 土地代そのものが割高
- 上下移動が増え、洗濯や掃除が複雑化
- 壁量バランスが崩れ、耐震性が弱くなる
つまり「南向き信者」になってしまうと、
コスト・使い勝手・耐震性すべてにおいて不利になりかねません。
✔ 日当たりの担保は土地ではなく設計で決まる
多くの方が「直射日光が入らなければ明るい家にならない」
と誤解しています。
しかし、本当に必要なのは直射光ではなく、
安定して室内に光を届けてくれる「天空光」です。
天空光とは、大気中の塵や水蒸気により反射・拡散した光のこと。
天候に左右されず、安定した明るさをもたらしてくれます。
つまり、設計段階で「天空光で十分な部屋」と
「直射光を取り入れたい部屋」をきちんと区別すれば、
土地条件に縛られず、明るく暮らしやすい家を実現できます。
これが理解できれば、これまで「この土地では平屋は無理だ」
と諦めていた場所でも、平屋を建てられる可能性が一気に広がります。
そして平屋にできれば、コストは抑えられ、
暮らしやすさも高まり、耐震面でも安心が増します。
✔ まとめ
- 建ぺい率は「ギリギリまで活用」する方が、
暮らしやすさもコスト面も有利。 - 南向き信仰は、資産売却を考える人には正解だが、
永住する人には不利になりやすい。 - 明るさは「土地」ではなく「設計」でつくれる。
天空光をうまく活用すれば、平屋の可能性も広がる。
土地に縛られず、設計で暮らしやすさを紡ぐ。
それがTsumugu Houseの家づくりです。
それでは・・・。