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2025.07.09

インフレと住宅ローン金利

インフレと住宅ローン金利

金利が上がってきた今、住宅ローンは「固定」か「変動」か?

おはようございます。
Tsumugu Houseの新内です。

家づくりを進める中で、多くの方が悩まれるのが
「住宅ローンの金利タイプ」の選び方です。
特に最近は、2022年末以降の日本銀行による
長期金利の上限引き上げの影響を受けて
10年固定型や全期間固定型の金利が上昇傾向にあります。

これは、長期金利と連動する「10年物国債の利率」が上昇し、
銀行がそれよりも低い金利で住宅ローンを提供しにくくなっているためです。
銀行からすれば、リスクのある住宅ローンを貸すよりも、
安全な国債を保有した方がメリットが大きいという判断になるわけですね。

今、どっちを選ぶべきか? 変動か、固定か

では、このような状況の中で、固定金利を選ぶべきか、
それとも今のところ金利上昇の影響を受けていない変動金利を選ぶべきか?
これは多くの方が頭を悩ませる問題だと思います。

ただ、ここでハッキリお伝えしたいのは、

「損得勘定」だけで決めるのは、正直おすすめできません。

なぜなら、将来の金利動向は誰にも読めないからです。

・今のインフレが一過性で、
数年後に再びデフレに戻る可能性もある
・あるいは、このままインフレが進み、
日本経済が回復し、金利も上昇し続けるかもしれない

どちらのシナリオも、現時点では予測しきれません。
仮に損得で判断するとしても、
「どちらに転ぶ可能性が高いと自分が思うか?」に賭けるしかないのが現実です。

大切なのは「性格」と「家計」に合った選択

そこで、私がお客様から相談を受けたときにお伝えしているのは、

損得ではなく、「性格」と「暮らし方」
に合ったローンを選びましょう。

という考え方です。

たとえば、変動金利の場合は、

  • 定期的に金利交渉をしたり
  • 必要に応じて借り換えを検討したり

といった「能動的な管理」が求められます。
これは、面倒に感じる方にとっては大きな負担になりますし、
団信(団体信用生命保険)の再審査が必要になるケースもあるため、
健康面で不安がある方にもリスクが伴います。

一方、固定金利を選べば、金利上昇の影響を受けずに済むため、
将来の見通しが立てやすく、家計管理もしやすいという安心感があります。

絶対に避けたい「帳尻合わせ」の選び方

ここで一つ、はっきりとお伝えしておきたいことがあります。

借入額を優先して、金利タイプを“帳尻合わせ”で選ぶのは絶対にNGです。

たとえば、本当は固定金利を選びたいけれど、
毎月の返済額を10万円以下に抑えたいがために、
やむなく変動金利を選ぶ――というケースです。

具体的に見てみると、

  • 月々10万円以内の返済を希望
  • 金利1.45%・40年返済なら、借入可能額は約3,600万円
  • ところが実際には、建物や土地などの都合で4,600万円必要
  • 固定金利だと返済額が約125,000円になり、家計的に厳しい
  • そこで、変動金利(0.45%)を選び、105,000円程度に抑える

というような判断になりがちです。

確かに、結果的に「それで正解だった」となる可能性もあります。
しかし、もしこの先、短期金利が上昇すれば、
金利上昇の影響をもろに受けてしまい、
生活に大きな負担がのしかかる可能性も否めません。

最終的に選ぶべきは、「安心して暮らし続けられるローン」

住宅ローンは「35年」など、非常に長い付き合いになる金融商品です。
だからこそ、目先の返済額だけで判断するのではなく、
将来の暮らしまで見据えた選択が何より大切です。

  • 自分の性格に合っているか?
  • 家計全体として無理がないか?
  • 変化が起きたときにも対応できる仕組みか?

こういった視点を持ちながら、住宅ローンを選んでいただけたらと思います。

まとめ

✔️ 損得勘定でローンを選んでも、将来の予測は不確実
✔️ ご自身の性格や暮らし方に合った金利タイプを選ぶ
✔️ 借入額を優先して帳尻を合わせるような選び方は避ける
✔️ 将来にわたって「安心して暮らせるか」が最も大切

Tsumugu Houseでは、住宅ローンや資金計画に関する
ご相談も随時承っております。
不安な点があれば、お気軽にご相談ください。

それではまた、次回のブログでお会いしましょう。